Blue Dragon

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   「前照灯、下向き、上、方向指示器、右、左、ハザード」  男の素早い指示に、女が連鎖して応える。  ディスコクラブの照明器具が高揚させる輝きを放つかの如く、ライトを素早く切り替えていった。  ストロボのような点滅。  それからリアも確認。  ルビーの様に赤く燃えたストップランプが点る。    その確認が済むと、男はFD3Sに再び乗り込んだ。  70スープラの鋼鉄で出来た冷たいコックピットの中で、自身のスレンダーな体格に合わないバケットシートに背を埋める女。  今度は室内での計器を確認。      「水温70℃、オッケー・・・   油温85℃、オッケー・・・。  アイドル、700回転をキープ」  指さしで確認する女の細い指が、ステアリングに掛かった。        
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