第1章

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 しばらくソファーで本を読みながらのんびりしていると、ふと家の中がやけに静かなことに気付く。  ユキの奴、どこに行ったんだ? どうせその辺で寝てるんだろ。  あいつ小さいからな。ちゃんと隅々まで探さないと。普通の人間を探す感覚で探すと見つからないだろうからな。あと足元もよく見ないと踏んじゃうかもしれないし。 「ユキー、どこだ? ユキー」  そう声をかけながらあちこち探す。テレビの下や冷蔵庫の裏、本棚の奥、植木鉢の中。低い位置を中心に高い場所も探した。  けど、そのどこにも、ユキはいなかった。 「あとはここか」  さっきまで俺が座ってたソファーの下をちらりと覗くと、そこにユキの小さな背中が見えた。 「何だ、こんな近くにいたのか。ほらユキ、出て来いよ。……ユキ?」  ユキからの返事が返ってこない。
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