第1章

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 それが何か分からないまま部屋を見回していると、ふとそれが目に止まる。 「お、おい、何だよこれっ」  昨日俺が置いたペーパークラフトの人形があるはずの棚には、人形と呼ぶにはあまりにもリアルな、人間のような姿をしたものがいた。  人形は5cmほどの身体に短い手足。白に見紛いそうなほどに透き通った銀髪に、海の色に似た濃い蒼の瞳をしていて、昨日俺が作ったときに見た単純なものよりも、色合いが鮮明で、まさにそれは――「人間」だった。 「アナタハ、ダアレ?」 「えっ!? 何だ今のっ、まさか!」  一瞬左右を確認してしまったが、そこには誰の姿もない。いつもの俺の部屋だった。だとしたら、今の声は。  そう思って再度人形を見たとき、俺はゾッとした。何故なら。
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