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そのあと、一気に現れた薬草擬きを見て僕は彼らに結界を張って言った。 『貴方達の迷いは死に繋がる。』 彼らはびっくりしながら此方を見た瞬間、僕は薬草擬きを黒炎ではなく、鎌で切り刻んでいく。 薬草擬きの緑色の液体がローブや鎌を伝って落ちていくほど切り刻み彼らの前にたった。 彼らは恐怖に肩を震わせている。 『…昔話をしましょう。あるところに住む子供の話です。その子供は幼いながらに自分に力があることを知っていました。わかっていました。この力は大切な人を護る為に授かったことを。それでも、魔物を殺めることに抵抗はありました。でも、約束したのです。いつか会える大切な人達を護ることを。その為には、迷いは捨てねばならないことを。その子は6歳で、初めて魔物を殺めました。涙が止まらず、吐きながらもその子は殺めた魔物に言いました。「貴方のおかげで生きていける、ありがとう。」その子は魔物を殺める度に、胸を痛めながらも笑います。感謝を込めて笑います。』 僕が話し終わると彼らは、下を向いて動かない。
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