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青陽「でね、何売ろうかと迷ったんだけど」
ゴソゴソと青陽の鞄を漁る。
俺たちが使う鞄は、ポーチみたいなやつだけど、何でも入る。四次元ポケットのようなもの、らしい。
説明下手な魔法学者が作ったもので、試しに使えと組織の方から回って来た。
使い勝手はいい。欲しい物思い浮かべれば出てくるから。
青陽「あ、あった」
取り出したのは青い宝石。
涼秋「それ、何処かの道中で拾った?」
青陽「あぁ。それで合ってる」
青ってことは、スライムだらけの泉の所かな。
スライムは、魔力を持った水の塊だとか。そんな感じ。
圧縮したら、そいつの色になるんだって。
神楽「彫るの?」
青陽「出来るよね?」
いや、出来ますけども。
神楽「拘束外してくれるなら」
涼秋「やだ!もっとこのままの神楽を眺めたいです!」
青陽「はいはい。涼秋は神楽への報酬買いに行ってきてねー」
ひどーい!とひとしきり叫んだ後に、金を握って出て行った。
お使いに行く子供みたい。
手足は自由になったけど、加工は楽しいし。報酬は何かの本をくれるだろうし。
やりますかねー。
?夜?
麗月「ただいまー」
神楽「おかえり」
気がつけば日が暮れていた。
涼秋が帰ってきてるのは気が付かなかったし。手元の彫り終わった石は数がおかしい。
麗月「今回は花か?。綺麗だね」
神楽「全部この近くで見たやつだけどな」
こんなのを彫ったやつより、元のままの宝石の方が綺麗なのに。なんでこっちの方が売れるんだろうな。
涼秋「やっぱり女性向けのデザインだよね」
青陽「男は買っていかないんだからこっちのがいい」
思った通りやってるんだけど、女性向けなんだ。
やっぱりってなんだよ!いつ俺が女性向けの物なんか作った!?
涼秋「ペンダントにブローチ、髪留めとか。全部可愛いか綺麗なやつだったよー」
神楽「かっこいいを目指しています」
麗月「うっそだー!」
嘘じゃねぇよ!
それ、曼珠沙華をちょっとリアルに彫っただけだよ?そんなに見るなよ!
ふわー。
麗月「あ、疲れた?」
神楽「ちょっとだけ」
麗月「寝てもいいよ?」
そっかー。
麗月って、怪我してる時は優しいんだよなー。寝たら飯抜きだろうけど。
神楽「んっ」
いいや。眠いし。
おやすみなさい。
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