報告書

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ただただ広い白い部屋のど真ん中。大きなモニター画面に映し出される四人組。 あのお方のお気に入りの四人で、そのくせあのお方の事をどうでもいいような態度を取るムカつく奴等。 自分たちの名前にも一切関心が無くて、あのお方が付けていらした。 捨て子同然のくせに。腹が立つ。 チーム名は異口同音。こいつらにはとてもじゃないが似合わない名だ。 殺すことで快楽を得る変態が神楽(かぐら)。他人を虐げて遊ぶのが涼秋(りょうしゅう)。自分の研究の為なら知り合いもさくっと殺しちゃうのが青陽(せいよう)。こいつらの中に居る唯一の女性で、罪悪感も多少残っているのが麗月(れいげつ)。 バランス的には良いかもしれないが、あのお方を崇めない四人組なんて、何をしでかすか分からない。 四人が四人とも、殺しだけはできるのだから。 そのほかの仕事だって、金さえ積めばどんなことでもやっている。 今回の報告書も、完璧だし……。 珍しく誤字がある。今回も青陽が書いていた筈なのに。まさか、何か仕掛けるために急いでて?いや、こいつらの監視係は私ともう一人しかいない。一日に一時間程度しか私は寝ないし。何かしていたら見ているはず。 よし。まだ寝ているだろうもう片方を起こして聞いてみよう。 ついでに、奴等の後片付けしてもらえるよう頼んでおかなければ。一般人が見るのは辛いだろうし。 はぁ、私もいつか名前が欲しいな。その時はきっとあのお方が……。
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