とある生徒会庶務の1日

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 ニメッタとくだらない雑談をしながら校門までたどり着くと、背丈に差のある2人が見えてきた。  背の高い男はよく知った顔というか、魔法学園の生徒会長『レイデ・ラヌフェード』だ。ボサボサの黒い短髪に黒い瞳。背丈は180を超えていて、顔はイケメンという訳でもないが、かといって悪くなもい。4年生で歳は18なはず。  ちなみに剣術部に所属している事もあり、体育会系の人間だったりする(部活云々はまた後日)。  対する身長の低い方は全然見た事のない女子だった。金色の長いストレートな髪を首元で結び、腰近くでもう一度リボンで結んでいて、瞳は燃えるように赤い。まだ入学したてなのか制服に着られている感もある。身長はラヌフェードと比較すると、おそらく150の後半くらいか。そして口にしたら殺されるだろうが、身体付きは平均的。 「お? 見ねえ顔じゃねぇかよ。会長、コイツ誰だ?」 「紹介するっすね。ウチの剣術部に入った『フィー・ランティス』さん。誕生日を迎えたばかりの16歳、1年生っす」 「初めまして! ご紹介に預かりました、フィー・ランティスと申します!」  びしっと挨拶をしたかと思えば、ランティスの頭からピコっと三角形の耳が出てきた。いやそれだけではなかった。スカートを突き破って毛並みのいい尻尾も生えた。……いわゆる亜人(あじん)という種類だろうか?
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