とある生徒会庶務の1日

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「そうそう、私は『ワーウルフ』というオオカミの亜人です。――といっても、オオカミ要素は耳と尻尾だけですけどね」  バレると色々と質問されるから普段は隠しているんです、そう言ってランティスは照れくさそうに笑い、それに合わせて尾がゆらゆらと動く。――最近のスカートは魔法によって尾などの部位のみが貫通するようになっているらしく、めくり上がるハプニングはない。  ……男としては若干、勿体ないと思わなくもないがそれはさておき。  一応、俺達もランティスに自己紹介と何故こんなに早く登校しているのかを説明しておく。それが終わった時、ごく自然な疑問が投げかけられた。 「えっと……ゴスティード先輩が? 風紀委員? スカートそんなに短いのに? ウソですよね?」 「「あー……」」  俺とラヌフェードが同時にため息を吐いた。何回も注意しているというのに、コイツは聞く耳を持たないからだ。確かに学園の規則だけを見ると、スカート丈や髪型といった、容姿に関わる項目はないのだが、風紀委員がそんな格好だと注意しても説得力に欠けるというもの。  にも関わらずニメッタは『別に下にショートズボン履いてるからイイだろうが』と聞く耳持たず、今日もスカートを短くして学園生活を送っているという訳だ。 「あ、ショートズボン着用でしたか」 「おうよー。ほれ証拠」  バッとスカートをめくり上げたが、お約束と言わんばかりにショートズボンとやらはなく白と水色の縞―― 「うおーーおおおおおおおお!!!!」  直後、ニメッタが顔を真っ赤にして校舎目掛けて走り出した。  俺達3人はただただ無言のまま、この事は3人の秘密にしておこうと頷きあった。
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