とある生徒会庶務の1日

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 校舎の自分のクラスに向かう途中の教室で、女子生徒の懺悔(ざんげ)ともとれる声が聞こえた。……別に怪談話とかではなく、先程スカートをめくり上げて自爆したニメッタの声だった。  そもそもめくり上げなければこんな事にはと思うのだが……かといってそれを指摘したら流石にキレてもおかしくない。なのでここは素通りして自分の教室に向かい、荷物を整理してから校門に戻るのが得策だろう。――生徒会の朝の挨拶活動は言葉と裏腹に、意外と時間に余裕がない。  そうこうして校門に着いた時、生徒会メンバーでも委員会メンバーでもないランティスが、まだラヌフェードと話していた。  そもそも、何故こいつは朝早く生徒会でもないのに、7時半にもなっていない――登校終了時刻は8時半なので、1時間以上も早い――時間に校門に立っているのだろうか。  その事を質問してみると生徒会の活動に興味があったからという、なんとも後輩らしいというか、群行動のオオカミらしいというか、そんな返答があった。  ついでにラヌフェードの部活以外での交友関係を知ってみたい、という理由も喋ったが……それを気にするのは先輩後輩の関係を越えていないかと、口には出さなかったが疑問に思う。 「あ、えーっと……ゴスティード先輩は?」 「あいつなら教室ですすり泣いていたのが聞こえたぞ。流石に恥ずかしかったんだろ……」 「意外と乙女なんですね」 「本人には言うなよ……?」  そんな事を口にしたら殺されかねないので本当にやめて欲しい。照れ隠しでボコボコにされた挙句に死ぬとか嫌にも程がある。
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