黄色い蝶 1.ある朝、災厄が倒れ込んできた

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 俺は、突撃の人だ。  ダメでもともと、とにかく突っ走るタイプだ。  失敗しても平気。  なにせ、ダメがデフォなんだからな。  うちの先祖は、そうやって子孫を残して来たに違いない。  とりあえず突進して異性を射止め、世知辛い世の中を、渡ってきたのだ。  そういう遺伝子が、俺の中でも確実に働いているわけで……。  でも、初めて声を掛けた時は、さすがに緊張した。  吐きそうだった。  本を買いに来た彼女を、生協で待ち伏せした。  学部は違うけど、同じ1回生で、同じく下宿生。  それだけの共通点を根拠に、果敢に話しかけた。  エラかったよ、俺……。
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