第1章

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「あー、そう、兄貴だよ」 やっぱり。そうなんだ。 私がずっと会いたいと思ってた彼。 蒼空くんだったんだ。 「えー?冬馬ー、昔みたいに 蒼空にぃって呼んでくれないの?」 「いやいや、いつの話してんの」 蒼空くんと冬馬が目の前にいる。 夢なんかじゃない。 また一緒にいることが出来たんだ。 「それにしても少し見ない間に鈴華、 更に可愛くなったね」 「えぇ?!突然何言ってんの?!」 「えー?思ったことを言っただけなんだけど」 「あー、はいはい。 それよりせっかくだからみんなで帰ろう!」 蒼空くんにとっては何でもない 言葉なのかもしれないけど その一つ一つが私の心を乱されてるのに。 蒼空くんの言葉一つでドキドキしたり、 落ち込んだりしてることに君は気づいてないよね? いつかそれを伝えられる時がくるのかな。
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