天才とは何かと何かの紙一重

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 手を洗って、気分はルンルン。  朝ご飯が待ってる食堂へと足取りは軽い軽い。今だったら空も飛べる気がする。  ……飛べる、のかな?  「おはよーごじゃいましゅ」  「おはよー」  「おはようさん」  「おはようございます」  今日も今日とておかず戦争が勃発している危険地帯……もとい食堂の中へと私は足を踏み入れた。  たまに醤油瓶とかソース入れとかが飛んでくることもあるから、ホント危ないんだよねぇ。  「薫、頼むわ」  「オッケー。これと、これね」  カウンターの向こうにいる薫くんから、綾芽が二人分の朝ご飯が乗ったトレイを受け取った。  私は両方の手の平を上に掲げてスタンバイ。  のせてのせてー。  「いや、無理やろ? 君はこれな」  「お、おしぼり」  不満そうな顔をしてたら、もう一本追加された。  そういうことじゃないんだけどなー。  釈然としない気持ちのまま、私も綾芽の後をついて行った。
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