天才とは何かと何かの紙一重

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 でも、私は覚えている。    私から誰も盗らないと言いつつ、この間のパフェ、綾芽が手伝いと称して結局大半を食べたことを。  決して忘れぬぞ!  玉葱の卵とじに箸をつけた時、どこからか視線を感じた。  でも、ここではかなり異端な存在である私に注目がくるのは日常茶飯事だ。  それよりも、今は目の前のご飯が大事!!  それからはあっという間に大半を平らげた。  皆お酒は飲みに行くけど、ご飯は帰ってきてから食べるわけだ。  だってこんなに美味しいんだから。    ふっと厨房の方を見ると、丁度薫くんもこちらを見ていた。  今日もかなり美味しかったです!  グッとサムズアップして視線に応えると、薫くんは肩を竦めて洗い物に戻って行った。  「おごちそーさまでしたー」  両方の掌を合わせ、ペコリと一礼。  ふぃー。  満腹、満腹。
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