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「ん、大丈夫」
「いつか、真琴さんが働きたいと思う時があったらもちろん賛成したいと思うけど、今は、ほら。今日のジムとか、俺と一緒に行けるとこからちょっとずつにしましょう」
彼が、僕を励まそうとしてくれている。
その必死な様子に、ふわりと心は浮上する。
それに、今日から始める予定のスポーツジムは、彼が言い出したことだったのだが。
もしかして、最初からそういう意味もあったのだろうか。
「昼間とか、時間持て余すのはわかります。けど、ちょっとずつ、増やして行きましょう。ね」
「そうですね」
全部僕のことを考えてしてくれているのだと、改めて気付かされては、もう納得する他ない。何より嬉しかった。
「少々、気が急いていたのかもしれません。ありがとうございます」
自然と頬が緩んで、素直に、ありがとうと言えた。
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