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このスポーツジムには、先日も申し込みと簡単な筋力測定をしに訪れていた。
今日からは、その測定結果とトレーニングの目的に応じたメニューをトレーナーから提案され、それに沿ってこなしていく。
必ずしも、絶対ということはなく。
あくまで提案で、各自自由なのだが。
「陽介、さん……」
ランニングマシンでのトレーニングをなんとか終えたところで、一旦休憩スペースへ向かう。
いくら走っても前に進まないこのトレーニングは、精神的負荷が強い気がしてしょうがない。
液晶モニターで何キロ走っただとか記録が残るので、それを励みに頑張るものなのだろうが。
僕ははっきり言って息も絶え絶えだ。
「真琴さん、大丈夫すか」
僕がこんなにひいひい言ってるのに、彼の方は全く涼しい顔のままだ。
「筋肉が、綺麗に、付くってっ」
「はい?」
「ほんとにっ? 筋トレより、走ってる時間の方がっ」
「有酸素運動を一緒にしないと、筋トレの効率が悪いんすよ。ほんとです」
「……ほんとに、ほんとですよねっ?」
……これでは、持久力ばかり付くことになるのではないか。
と、どうしても彼を疑いの目で見てしまう、これには理由もあるのだが(※オマケSSおしおき参照)
一応、信じておくことにしよう。
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