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ミネラルウォーターのペットボトルを手渡され、一息に半分ほど飲み干してしまう。
何度か深呼吸を繰り返し、ようやく息が整ってきたと思ったら、ソファに座った途端に膝が笑い出した。
どんだけ運動不足なんだ、僕は。
まあ、彼のペースについて行けるとは最初から思っていなかったけれど。
立ったままの陽介さんを下から見上げると、彼も汗はかいているものの清々しいものだった。
半袖のスポーツウェアから覗く腕や、肘から手首にかけて、筋肉のラインがとても綺麗だ。
今は見えないけど、腹筋もくっきり割れている。
本当に、羨ましい。
「僕は、もう少し休憩してからまた行きますから。陽介さんは、陽介さんのペースでしてきてください」
「えっ、嫌ですよ。真琴さんと一緒に」
「ここから、少し見てます。僕と同じペースでしてたら、陽介さんには何の意味も無くなるじゃないですか」
この休憩スペースからでも、マシンジムのこのフロアは良く見渡せる。
だから、心配かけるようなこともないし、その方が僕も気兼ねせずに済む。
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