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陽介さんは少し迷っていたけれど
「じゃあ、先に行ってますね」
といって、戻っていった。
僕は、残ったペットボトルの水をちびちびと飲みながら、もう少し汗が引くのを待つことにして。
遠目に陽介さんを眺めていた。
それほど人が多いわけではないけれど、男女ともにそれなりの利用者がある。
一際背の高い彼は、やはりよく目立っていた。
トレーニングマシンを使う姿も、なんだか様になっていて
そして不思議と、かっこよく見えてくる。
僕って、あれだろうか。
筋肉フェチ?
スポーツしてる人が好きなんだろうか、あんまり自覚はなかったけれど。
でも、そういや最初にバッティングセンターに連れて行ってもらった時、彼はそんなに上手くなかった。
バットの構え方はそれっぽいのに、ぶんっと思い切り空振りする時の姿勢が少し変で、可笑しかったのを覚えている。
懐かしいな、とつい思い出し笑いをしていた時だった。
陽介さんのすぐ近くにいた女の子の二人組が目に入り、その内の一人が彼に話しかけているのが見えた。
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