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「仕事終わったら連絡しますけど、家で待っててもらってもいいんすよ?」
「そしたら移動時間が勿体ないでしょう。会社の近くで待ってます」
朝、玄関で仕事に出かける陽介さんを見送る。
今までにも、どちらかの家に泊まった日はいくらもあったけれど、一緒に住むとなるとまた、何か違うものだ。
引越しをして、半月ほど。
未だに少し、照れくさい。
「なるべく、定時で上がりますね」
「い、ってらっしゃい」
ちぅ。
と、軽く唇を合わせ、こつんと額をぶつけてくる。
「いってきます」
ほわわん、と花でも飛ばしてるんじゃないかと思うくらいに幸せそうに笑って仕事に出て行く。
外に出てから、スキップでもしてるんじゃないだろうな。
あんまり浮かれて、仕事でミスでもしなければいいけれど。
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