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なんでそんなに心配されるんだ。
そう思うとついむっとして、彼を睨んでしまった。
「僕はそんなに信用ないですか」
「えっ! いえ、そうじゃなくて!」
「じゃあ何」
「……お、怒らないでくださいね」
「怒りません」
「拗ねないでくださいよ?」
「拗ねませんよ!」
僕を何だと思ってる。
さっきからまるで子供を扱うような眼だ。
じぃ、と睨んで機嫌の悪い僕に、彼は相変わらず困ったような顔をしながら、こほんと咳払いを一つして改めた。
「……真琴さんは、ウェイターなら、って言いますけど……女の人として勤めるなら女性ものの仕事着を着ることになるじゃないっすか。店によっては、カフェエプロンと白シャツだけで後は自由とかもありますけど、どっちにしろ今までみたいに男になりきって、というのは出来ないと思います」
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