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そのあとのレースは散々であった。
ゴリランの言った通り、前方を塞ぐように走るトラック。その隙間を抜けようと思うもカーブの連続では思うようにいかない。
しかもゴリランの運転はゴリゴリごりであり、雑。その雑さ加減が逆に挙動を読み辛くしていた。
さらに転倒でもしてしまえばいいものを、片輪浮く度に竜羽が生えて上手くバランスを取っておりすさまじく強引なターンを描いていた。
そんなこんなで結局もつれにもつれたこのレースも、最後のストレートとなった。
赤いスポーツカーの光子ちゃんと目配せし合う。
ここまで苦汁を飲まされたのだ。協力してでもここは抜く!!
道路のど真ん中を爆走するゴリラン号。
その両サイドに僕らが同時に飛び出す。
どちらかに少しでも妨害しようとすれば残った方が一気に抜き去る!!何もしなければどのみち抜くし!
運転席のゴリランと目が合う。その瞳は揺らいでいた。どちらを攻めるか決めかねている。今がチャンス!!
加速する僕ら。
加速するトラック。
ばさぁっ!!
視界を塞いで邪魔をしてくる竜羽。かいくぐり加速加速加速。
もうゴールのロープウェイ乗り場は目の前っ!!
一気に!!
行くぜぇぇぇぇ!!
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
ゴール!!誰がいちば、あ・・・。
ゴールの先は榛名湖だってこと、忘れてたぁぁぁぁぁ!!
ざっぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
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