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だから私は入隊して、ひたすらに訓練に明け暮れた。
死を得るのには理由がいる。
ひたすらに能力を磨き、ひたすらに兵士として高め、最も死から遠い兵士となって。
そうして始めて無残な死を得ることができる。
私はそう信じていた。
そして。
気づいた時には私の周りに人はいなくなっていた。
私はワンマンアーミーであった。
あまりにも兵士として研ぎ澄まされすぎた私についてくる者はおらず。
あまりにも人として研ぎ澄まされてしまった私に寄ってくる人はおらず。
私は独りとなった。
そして結果。
私は除隊処分となっていた。
周りに合わせることができず、合わすつもりもなく。
ただひたすらに死に魅了され続けた私は兵士ですらなくなっていたのだ。
時に私は襲われる。
このぬるま湯のような世界にただ独りで戦争を仕掛けようかとその思いに襲われる。
・・・今日も太陽は憎らしいほどに輝いている。
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