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夏といえば?という質問をこの時期によく聞くが、みんなはどう答える?
海とかプールとかかき氷とか花火とか祭りとか、きっといっぱいあると思うんだ。もちろん全部が『夏』って感じがするし、俺もイメージする物だ。
だけど、真っ先に俺の頭に浮かんだのは全く別の物だった。
「ビキニ美女だぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
青い空、綺麗な海、さらさらの砂浜。それらの景色になど目もくれずに俺、真代 扇(ましろおうぎ)は腹の底からこれでもかってくらいに高らかに雄叫びを上げていた。
「あっちを見てもこっちを見てもビキニビキニビキニ!!ムッハー海に入ってもいないのにテンションマックスバーニングーーー!!!」
「恥ずかしいから叫ぶなバカ!!」
後ろから拳骨を頭に叩き込んできたのは短めの金髪を後ろに逆立てた少年、俺の親友でもある田上 龍一(たがみりゅういち)……通称田上っちだ。
「田上っち!ビキニだよビキニ!!スゲーよヤベーよここが天国って奴ですかい!?」
「わかったから、さっさと場所取ってパラソル準備すんぞ。女子連中に文句言われる前に」
「アイアイサーなのだー!!!」
「テンションぶっ飛んでんなこいつ……」
田上っちと協力して砂浜にシートを敷き、借りてきたパラソル二つを砂浜に突き刺して固定していく。
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