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「それは…やっぱり、天宮紫貴って人?」
二人は同じ趣味を持つ。それが地元のアマチュアバンドの追っかけ。地元じゃなくても、地方の有名なバンドのライブにもかかさず通っている。
そのときに知り合い仲良くなり、あたしは二人には三年前の話をしている。
「まぁ、その影響だけど…」
あたしが言葉を濁すと、幸子ちゃんがふう、と悲しそうにため息をついた。
「三年前から、もうずっと行方知らずなんでしょ?プロになってすぐに解散しちゃったとか、確かバンド名がブラックレインだっけ?」
「そうそう!BlackRainっていうバンド。あの人の歌をもう一度聴きたくてネットとかで調べたんだけど、詳しい情報が全く載ってないの。もう一度聴きたくても音楽の店とかレンタル屋にはCD置いていなくて。でも、その一年後には偶然にもあのときの曲が手に入ったんだよ」
幸子ちゃんの言葉にあたしはぺらぺらと喋りまくる。
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