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教室の扉の前で、レイジー!と叫んだのは、さきほど会った如月麗慈の追っかけたちだ。
教室中に聞こえる声で叫ぶものだから、クラスメートが驚き、ざわついている。
「うわ!如月だよ。あいつら迷惑」
露骨に顔をしかめた奈々が叫ぶ。
「ちょっと奈々ちゃん!聞こえるよ」
それを幸子ちゃんが慌てたように小声でたしなめた。
「えーー、だって本当のことでしょ。みんなもほら、迷惑そうにしてる」
周りを見渡せば、みんな遠巻きに扉に集まる女の子の群れを見ている。
「おい、お前らうるさい。ほら、さっさと行け」
如月麗慈は面倒くさそうに女の子を手で追い払う。
「えーー!もう、レイジったら!」
ぞんざいな扱いだが、女の子たちは喜んでいる。如月麗慈は話を終えたとばかりにポケットに両手を突っ込んで教室の中に入ってきた。
ゆっくりとこちらに、近づいてくる。
「はぁ、そういえばあいつ、後ろの席じゃない」
気がついた奈々が迷惑そうに呟いた。
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