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なにかを蹴った感触はあったようで、彼はわざとじゃないことを主張した。
しかし、奈々にはそれが伝わらない。
言い訳に聞こえたらしく、ムッとした。
「なによその言い方。すっごい失礼」
頭に血が上っている奈々。
「なんなんださっきから。大声でいちゃもんつけやがって…」
如月麗慈は麗慈でクラス中に聞こえるくらいの声で喧嘩腰で叫ぶ彼女に腹を立てている様子。
一触即発な展開に、その場はしーんと静まり返る。
(…ああ、もう!我慢できない!)
この緊迫感をどうにかしないと!
自分のことで言い争う二人。ここはあたし自身が止めなければ!
そう思い、勇気を振り絞って、勢いよく机を叩いて立ち上がった。
「いっ、いい加減にしなさーーい!!」
さーい、さーい……。
あたしの声はクラス中に響き渡った。
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