プロローグ

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衝撃的だった。 まるで百年の恋に目覚めたかのように、私は甘い気持ちに酔いしれ、その歌に聴き惚れていた。 学校を行きたくないと思っていた気持ちも、虐められて嫌な気持ちも、退屈で憂鬱な気持ちも、何もかもあの空のようにスッと綺麗に晴れた。 これが、運命の出逢い。 テレビに映って歌うのは、彗星の如く瞬く間に現れ世に名を轟かせた幻の四人組バンド『BlackRain』。 そのボーカリストである奇跡の歌声を持つ、天宮紫貴。 三年前に出逢ったあの歌声は、未だに私の心を捕らえ離さなかった。
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