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熱い、あつい、アツイ。
更に、眠い。
塾帰り、昼下がり、木漏れ日日和。
そして、帰宅途中の電車の中。
ゆらりゆらりとした心地良い揺れが、僕を夢の世界へと誘っていた。
不安定な低気圧が人の心をくすぐっていた為、電車内の喧騒がやけに目立っていた。
騒がしければそうであるほど、僕の心は静穏を求める。
結果、より眠気を誘ってしまうものだ。
目を閉じて広がる闇の世界。
僕の耳に入ってきた、最後の言葉は――
近くに居たチャラそうな男達が発した言葉だった。
「ナンパなんて、名前も知らないから良んジャン」
「あははは、言えてるぅー」
そうなのか?
見ず知らずの人に声をかけるなんて勇気、僕にはないや。
心の中で突っ込みつつ、僕の意識は深い闇に落ちて行った――。
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