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新学期のクラス替えは、物凄くいい感じだった。
ノリが良くて可愛い女子がいっぱいいて、女好きでノリがいい男もいっぱいいて。
高校最後、めっちゃいいクラスだなぁなんて思ってたのに。
ノリのいい自己紹介の時間を、つまんなそうな顔して名前だけ言って終わらせたやつが、一人だけいた。
早川だ。
自己紹介だけじゃない。その後盛り上がったノリのまま、どっか遊びに行こうってなった時も、オレはいいやとかなんとか言って参加しなかった。
その割りには女子の間で、小動物みたいで可愛いとかなんとか言われてるのも腹立つ。
しかもオレ達にはそんな風に一歩引いてるくせに、モテるくせに簡単に女に手を出さなくて紳士的とか言われてイケすかない旭とは妙に仲が良くて。
何もかも赦してるみたいな無防備に優しい顔して笑い合ってるのも、癪だった。
どうしてその表情で、みんなの輪の中に入らないのか。
そしたら、ノリが悪かろうが別に気にもならないのに。
アイツにだけ、そんな表情。
──ずるい、だなんて思ってしまってから、何考えてんだと頭を振る。
別に早川の笑顔なんてくそ食らえだろって、言い聞かせて無理やり視線を剥がさないと、ずっと──見ていたくなってしまう。
何考えてんだオレは。
あんなやつ──男でノリが悪くていつまで経っても誰にも馴染もうとしないようなやつの。
笑った顔、なんて。
旭の野郎と楽しそうに喋ってる顔なんて。
見てたって、全然楽しくないのに。
女子の方が可愛いし、柔らかいし、あったかいし。
そっちの方が、絶対いいはずなのに。
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