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「そういえば、おじさんとおばさんは?」
靴を脱ぐ時間ももどかしいくらいに、咲哉が欲しいのに。
だけどハジメテが玄関もさすがに嫌だし、なんて自分を納得させて自分の部屋へ向かう最中。
咲哉がキョロキョロしながらそんな風に聞いてくる。
「仕事。たぶん早くても7時は過ぎるよ」
「そっか」
「そう、だから。心配しなくても時間ならたっぷりあるよ」
「っ、ちがっ、そんなことっ」
顔を真っ赤にしながらあたふたと叫ぶのが可愛くて、引き寄せて額にキスを1つ。
「分かってるよ。咲哉はホントに可愛いよね」
「っ、もうっ」
真っ赤な顔したまま怒るのも可愛くて。
怒って尖った唇を唇で塞いで、柔らかくくすぐるみたいにキスを繰り返す。
しつこいくらいに繰り返す内に、咲哉の怒っていた肩から力が抜けていくのが分かって。
ほやん、と蕩けた咲哉の目が、落ち着いていたはずのオレの欲を煽るから。
「こっち」
ぐい、と腕を引いて、自分の部屋へ引きずり込む。
よろめいた咲哉を抱き止めながらドアを閉めたら。
「もう待てないから」
囁いて、さっきまでとは違うキスを仕掛ける。
「ンッ」
ジタバタ暴れようとする咲哉の腕を難なく封じて。
カタカタと震え出す咲哉の、足から力が抜けるまでの間。
息継ぎすらろくにしないまま、咲哉の唇を貪った。
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