Hayato → Sakuya

7/12
前へ
/34ページ
次へ
「そういえば、おじさんとおばさんは?」  靴を脱ぐ時間ももどかしいくらいに、咲哉が欲しいのに。  だけどハジメテが玄関もさすがに嫌だし、なんて自分を納得させて自分の部屋へ向かう最中。  咲哉がキョロキョロしながらそんな風に聞いてくる。 「仕事。たぶん早くても7時は過ぎるよ」 「そっか」 「そう、だから。心配しなくても時間ならたっぷりあるよ」 「っ、ちがっ、そんなことっ」  顔を真っ赤にしながらあたふたと叫ぶのが可愛くて、引き寄せて額にキスを1つ。 「分かってるよ。咲哉はホントに可愛いよね」 「っ、もうっ」  真っ赤な顔したまま怒るのも可愛くて。  怒って尖った唇を唇で塞いで、柔らかくくすぐるみたいにキスを繰り返す。  しつこいくらいに繰り返す内に、咲哉の怒っていた肩から力が抜けていくのが分かって。  ほやん、と蕩けた咲哉の目が、落ち着いていたはずのオレの欲を煽るから。 「こっち」  ぐい、と腕を引いて、自分の部屋へ引きずり込む。  よろめいた咲哉を抱き止めながらドアを閉めたら。 「もう待てないから」  囁いて、さっきまでとは違うキスを仕掛ける。 「ンッ」  ジタバタ暴れようとする咲哉の腕を難なく封じて。   カタカタと震え出す咲哉の、足から力が抜けるまでの間。  息継ぎすらろくにしないまま、咲哉の唇を貪った。  *****
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加