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沖田は縁側に座り込み、自分の答えを探していた。
新撰組に帰るか、春妃と共にここで生きるか。
身も心も強くしてくれた近藤さん…
僕はあの人のために生きると決めた。
だから帰らなきゃいけないのに…帰らなきゃいけないはずなのに…
僕は春妃を知ってしまった…
春妃というこの世に一つしかない宝物を手に入れてしまった…
春妃の傍にいたい…
春妃と共に生きたい…
春妃を守り抜きたいと思う自分がいる…
僕にとって春妃も新撰組も生きていくのに必要なもの…
どちらかを選ぶなんて…半分死んで、半分生きているようなものだ…
どちらかなんて…選べないよ……
答えを見つけられないまま、仲睦まじく泳ぐ鯉を眺めていた。
そんな沖田の後ろ姿を見つけた春妃が、ふーっと深呼吸し、息を整え元気よく声を掛けた。
春妃 「総ちゃーん♪遅くなっちゃったけど、朝ご飯にしよー♪」
沖田 「春妃……」
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