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閑話休題。
「で、なんの用ですか。用がないなら消えてください。もしくは死んでください」
「君のその性格の悪さについて、心理学部の生徒として考察してみた」
熱々のコーヒーを口に運び、ふうと一息いれた。
「心外です。オブツ先輩から性格が悪いなんていわれる筋合いはありません。撤回してください。もしくは死んでください」
「そもそも、僕はオブツではない。まるで漢字にすると汚物みたいじゃないか。僕の名前はミホトケだ。漢字にすると御仏だ」
「はいはい、御仏先輩。これでいいですか? 納得したら消えてください。もしくは死んでください」
「いいわけないだろ。漢字にすればわからないと思っているのか。ルビはしっかりオブツになっているじゃないか」
ルビを気にするなんて、なんて器の小さい人なのだろうか。きっと普段から、ルビとか副音声とか、ひとのあげ足をとるようなことをしているに違いない。そんな人と仏さまと呼ぶのは、むしろ仏さまに失礼である。
「君のその沈黙は、きっと僕のことを器の小さいとか思っているんだろう? 言葉にしなくても、副音声で伝わるぞ」
面倒くさい人だ。
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