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「ルビとか副音声とかいっている意味がわかりません。セクハラで訴えますよ。それにオブツ先輩はオブツ先輩でいいじゃないですか。オブツなんだから。ミホトケ先輩と呼ばれたいなら、とっとと早いとこ成仏してください。もしくは死んでください」  先輩はなにかいいたそうにしていたが、やめたらしい。少しは学習したのかもしれない。 「君はきっと幼いころに両親を亡くしたから、その性格になったのではないかと心理学的に僕は分析する」 「あきれてものがいえないとは、まさにこのことですね。そんなことは心理学を学ばなくても、ごく一般的にわかることです。心理学がまったく役にたっていませんね。学部を変更することをおすすめします。もしくは死ぬことをおすすめします」  そう告げられて、先輩ははっとした。どうやらその考えがごくごく普通の、常識的な、一般的な、普遍的な思想だということに気がついたらしい。  残念な頭の構造をしているのはわかっていたが、まさかここまでとは。  そんな先輩はやはり死ぬべきだろう。しかし、いつもの幸運か、もしくは不運が邪魔して殺害は失敗する。  さて、どうしたものか。どう殺したものか。  そんなことを考えているうちに、記念すべき100回目の殺人計画は3か月ほど保留になってしまった。
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