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 季節はめぐり、オブツ先輩と呼ばれていたものの残りかすが土に埋められた後で、私は墓参りにいった。  たくさんのお供え物は両手では持ち切れなかったので、大き目の紙袋にまとめていれた。それらを先輩が眠る墓のまえに置いていく。  天然水と書かれた、どこにでも売っている水のペットボトル。  湯呑には青酸カリがはいったお茶。  白い紙を三角に折って、ピラミッド型に重ねたホウ酸団子。  有害物質を大量にふくんだローソクと線香。  供物の果物にはバナナを。  極めつけは、花瓶にいけたベラドンナの花。  先輩の言葉を思い出す。周囲のあらゆる人間を巻き込んで死ぬという、最低最悪の、人間のクズにしてごみのような発言が今ではどうしようもなく愛おしい。  先輩の願いを叶えてあげます。人間ではないかもしれないけど、少しだけ周囲を巻き込んであげます。先輩が独りで寂しくなりませんように。先輩のお墓のちかくにたくさんの死体ができますように。  もしくは…………。  だってそうでしょう? 死後の世界も、生まれ変わりも、誰もわからないんだから。無いかもしれないけど、もしかしたらあるかもしれないから。  もしくは、なにかに生まれ変わった先輩を今度こそ私が殺してあげられますように。  私はそっと手を合わせ、そう願った。  --Endーー
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