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私はこの世界に転生する前まで『地球』のとある国で諜報員として働いていた。 その世界で私は自分でもそれなりにやり手であると自負するほどの活躍をしていた。 私が上司にもう歳だから引退したいと伝えたら、了承された次の日に大量の暗殺者が送り込まれ歳老いた身体では逃げ出すこともできずに殺された。 まぁ諜報員の最後なんてそんなものだ。 もともと引退するまで生き残ること自体が稀である。 問題は次に目が覚めた時だ。 私が次に目を覚ました時、白を基調とした大理石と思われる鉱石でできた部屋にいた。 そこには真っ白な髭を生やした老人がいた。 だがその老人が放つ雰囲気や気迫が俺がいままで出会ったことのないほどのものを感じた。 かつて諜報員として世界に名を馳せた俺ですら感じたことのない巨大な気迫に、私に冷や汗を流しながら最低限抵抗できるように身構えると何が面白いのか急に笑い出し、私に依頼をしたいと言い出した。 依頼だと言い出した時に私が感じていた巨大な気迫がなくなったので、見かけだけは戦闘態勢を解く。 しかし何が起こるかわからないので目の前の老人に気づかれないように身構えているとそれすら見破っていたようで、さらに笑いながらそんなに身構えなくとも良いと言いやがる。 私は顔に出さないように驚きながらこの老人が何者なのか観察していたら、老人が自分のことを神だと言い、もう一度私に依頼をしたいと言う。 普通のやつだとそんなことを聞いて相手の頭を心配するのだが、先程の気迫を見せつけられたらかつて世界に名を馳せた私のプライド的なものなのかわからないが、相手のことを人間だと思わない。思いたくない。 なので私は相手のことを人間以上神様以下としてみることにして取り敢えず依頼というものを聞いてみることにした。
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