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今年の春は風が強く、桜が咲いては散るを繰り返している。
「やっべーキレイにじゃね?カメラ欲しいなぁ」
「いや、持っててもお前じゃ使えないだろな」
新学期、新たなクラスメイトたちの会話を聞いて
皇 蒼一朗 《 すめらぎ そういちろう》 は窓の外を眺めた。
「確かに綺麗だな」
誰にも聞こえないくらいの独り言。
2年にもなって、キッチリと制服を着込み、机に向い教師を待つのは珍しいので、はっきり言えば悪目立ちしている。
自覚が有る分、蒼一朗は目立たないように息を潜めていた。
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