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「ばーか、オレよりお前のが使えないだろーよ!」
「まず、別に使えなくても困らない」
騒ぐ二人を囲んで、周りが笑いに包まれていく。
「おーい、アマミヤ、シロキ、いい加減静かにしないか、ホームルーム始められんぞ?」
いつの間にか、担任と思しき男性教諭が教卓の前に立っていた。
「アマミヤじゃないんで知りマセーン!」
「シロキって、誰ですか?」
二人は元気よく手を挙げて主張する。
教諭は慌てて手元の首席簿をめくり始めたので、二人は無言で黒板に白のチョークで何かが書きはじめた。
《天宮 慧》
カメラが欲しがっていた方の少年だ。
「新しいクラスメイトのみなさーん。
オレの名前は たかみや けい でーす!間違えないでね?」
女子の一部がきゃーっと叫ぶ。
《白木 雪人》
カメラはいらないと言った方の少年だ。
「俺の名前は しらき ゆきひと。間違えんでなぁ。以後お見知りおきを~」
ユルい感じで手を振れば、また違う女子が振り返す。
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