2.謎の急展開

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昼休みに、つばさは今朝の出来事を教室の隅で涼香と今日子に話した。 片倉は他のクラスの友人と昼は一緒にいるらしく、すぐに教室から出てしまっている。 「え~、片倉が?って言うか、昨日真ん前に座ってたんだ!」 今日子も、先日塾で目の前にいた花粉症の彼が、同じクラスの片倉だったという事に全く気付いていなかった。 「そうなんだって…。私たちの会話、全部聞かれてたみたい…」 「うわ、恥ずかしいね」 「そうだよ~」 昨日何を話していたのか、実はあまり覚えていなかったが、今日子と一緒に普通に本音の話しをバンバンしていた。 (何か、他にも片倉の気に触るような事、言っちゃったのかなあ) 考えたが、つばさには分からなかった。 涼香が小声で言う。 「でもさ~、片倉なんて、色んな女子からモテてるじゃん」 「そうみたいだね。まあ、あのルックスじゃそうだよね」 「付き合ってくれるって言うんだったら、乗っかっちゃえば」 そして下心のありそうな顔で笑った。 「え~。何かさ、裏がありそうじゃん。片倉」 つばさは朝の彼を思い出す。 いたずらっぽい笑顔は確かに魅力的だし、猛烈に女子にモテるというのも分かる。 でもそんな彼が自分を気に留めるなんて、そもそもおかしな話だと思う。 「とりあえずもう少し話とかしてみれば?片倉が何したいのか分かるかも知れないし。普通に考えれば、あいつの気まぐれだとしても、ラッキー過ぎる事じゃないの?」 今日子のその言葉に続いて、涼香も大きく頷く。 「そうだよ、だって、あの片倉だよ!あんなモテ男、付き合おうと思ったってなかなか難しいと思うよ~」 「同じクラスの男子だしさ、そんなヤバイ奴じゃなさそうだし。いいじゃんいいじゃん~!友達からでもさ~」 そんな今日子や涼香の片倉推し発言に負けて、だんだんとつばさの心も折れてくる。
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