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(まつ毛、なっが!肌きっれ!)
今日子も涼香もかなりカワイイ方で、そんな2人をいつも見ているつばさでも、片倉の美貌には驚いてしまう。
(これはモテるわ…)
しばし手をつないでいる事も忘れて、彼をじっと見た。
「何?何かついてる?」
つないでいない方の手で、片倉は自分の前髪を触る。
「ううん、何も…」
(ヤバ、ガン見過ぎちゃった…)
車内に目をやると、自分たちが注目されている事に気付く。
(とりあえず、降りてから話そう…)
仕方がないので、電車の外の景色に顔を向ける。
(何だか息苦しいなあ…)
電車が目的地へつく数分間、つばさはこの時間が早く過ぎてくれる事をただ願った。
片倉は、スマートだった。
テイクアウトができるオープンカフェのテラス席をサクっとキープし、つばさを座らせ、当たり前のように2人分のアイスコーヒーを買って持って来る。
「お金払うよ!」
「いいよ、初デートだし。好みが分かんないから適当に持ってきた」
つばさの前にミルクとガムシロを2つずつ置く動作まで、慣れていた。
(すごい、これぞモテ男の所作…!)
(おまけにこのカフェ、お洒落チョイス…すごいなあ…)
さっきからつばさは彼に感心してばかりだった。
お洒落な店に、片倉は全然負けていない。
それどころかこれから売り出すアイドルと言われても、頷けるキラキラな彼。
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