4.はじめての

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「『彼氏』との放課後デートってのも、だいぶ慣れてきた?」 「えっ?」 時折、冬唯はつばさに『彼氏』という事を確認するような事を言ってくる。 「彼氏っていうのはピンとこないけど…。冬唯くんにはだいぶ慣れてきたよ」 「ホントに?」 意外だ、という顔を冬唯はした。 「うん。なんかこうやって、2人でご飯とか普通にできる」 「普通ね…」 冬唯の手が伸びてくる。 「?」 つばさの耳をかすめて、冬唯の指がつばさの髪をかき上げた。 突然の冬唯の行動に、つばさは反応できずにただされるがまま、彼の動きを見ていた。 そして。 (えっ…!) 冬唯の顔が近づいたと思ったら、髪をかきあげられたこめかみの辺りに… 柔らかい感触。 「えっ…?」 今度は声に出していた。 近い彼の顔。 (この感触って…) 「ちょっとは、ドキドキした?」 近い距離のまま、悪戯っ子のような笑顔で冬唯は言った。 しかしその目は真っ直ぐにつばさを見つめてくる。 「えっ?えっ?」 (何、何?何した?今、何された?) 「何?足りない?」 冬唯はつばさの左手を取る。 そして指先に唇をつけた。
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