2.謎の急展開

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廊下を歩くだけで、女子が片倉を見ている。 そんな女子たちの視線に、つばさは気後れしてしまう。 トイレの手前の小さく曲がったスペースで、片倉は立ち止まった。 つばさは一体何の話なのかと、ちょっとドキドキしてくる。 片倉はつばさの方へ真っ直ぐ向くと、言った。 「あのさ、昨日予備校来てたでしょ」 「ん?」 (行ってたけど…何だろう) 予備校へは確かに行っていた。つばさは素直に頷く。 「うん。今日子と一緒に行ってた。もしかして、片倉くんもいたの?」 「いたよ、ただオレ、薬切らしてて、酷い花粉症でさ」 「花粉症……」 確か、つばさの前の席の男子が酷い花粉症っぽかった。 そこで初めてピンとくる。 「もしかして、私ってあんたの席の後ろにいた?」 「……」 『あんた』という言葉に片倉の眉がピクンと動き、一瞬不機嫌な気配を見せたがそれもすぐに消える。 彼は黙って頷いて、そして言った。 「梅田さん、めちゃデカイ声でしゃべってたじゃん」 「あ~…、ああ…ごめん」 そこでつばさはハっとする。 片倉の噂話をしていた事を思い出した。 「えっと…、き、聞こえてたよね…片倉くんの話してたの…」 「もちろん、バッチリ」 ニッコリしている彼の目が全然笑っていない理由を、つばさは悟る。
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