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「で、でも!別に悪口言ってたわけじゃないもんね。すごいイケメンがクラスにいるって、そんな話だったよね」
確かに悪口を言っていたわけでは無かった。
まさかそれを片倉が怒ったりするわけじゃないだろうと、つばさは思った。
「そんな事言ってたね。それよりオレが気になったのはさ」
片倉が一歩近づく。思わずつばさは半歩引いた。
「梅田さんってさ、彼氏いた事ないんだ?」
「へ?」
「彼氏って言うか、初恋もまだみたいな事言ってなかったっけ?」
「言ってた…けど…」
(やっぱり聞かれてたんだ。えっと、他に何、話してたっけ…?)
あれだけ堂々と大声で話していれば、前の席にいた片倉には会話の内容は全て知られているだろう。
それでも改めてそう言われると、つばさは彼の真意が分からずに戸惑ってしまう。
それどころか、モテまくっている男の上から目線で、自分はすごく馬鹿にされているような気がした。
「何よ、片倉くん。自分がモテるからって、もしかして私の事ディスってんの?」
つばさはムっとした。
それを察知した片倉が、慌てて言う。
「違うよ。そうじゃないよ」
「…じゃあ、何の用?」
「梅田さん、今まで誰とも付き合った事が無いんだったらさ、オレと付き合ってみない?」
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