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受験生の杏里が悪い男に引っかかって道を踏み外さないよう気をつけてやるのも、大人のつとめだ。
「参考までに、どんな奴なの? そいつの仕事は?」
「……ええ! え~っと……今はしてない」
杏里の答えに、ずっこけそうになった。
「それ社会人じゃないって」
「違ッ 転職中なの。次のお仕事はもうちゃんと決まってるの」
おれと同じか。まあ、ならいいか。
「年は7つ……上。25才」
「相手、おれとタメかよ!」
タメの男とかなんとなく生々しい。おれがそこらの女子高生と付き合うみたいなものだろ? そんなの想像できない。
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