ぜんぶ夏のせい

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ふたり並んで歩いていると、ひんやりと涼しい風が汗ばんだTシャツの中を通り抜けた。 「夜になると外の方が涼しいな」 「はは、そだね」 (……?) 杏里はいつも送ってる間中ずっと喋ってるのに、今日はなんだか口数が少ない。 「なんだ、疲れたのか? お前が静かだと調子が狂う」 「ううん、だいじょーぶ」 ずいぶん落ち着かない様子だ。受験前だし、何か悩みでもあるのかもしれない。 「……眠くないんだったら、ちょっと公園寄ってくか? おれじゃ頼りにならんかもしれんが、ある程度話は聞けるぞ」
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