「なんでころしてくれないの」

4/8
前へ
/8ページ
次へ
「別に何でもございませんよ?よく無防備でいられるなと、関心はしていますが」  どの口がいっているのかしら。  少しずつ酔いが覚めてくる。 「わたし知っているのよ?あなたが本当の仕事をするときは、伊達の眼鏡をはずすって」 「へぇ~、ばれてましたか」 「わたしをだれだと思ってるのよ」  クランは私の頬に触れたまま膝をつく。 「俺の大事な主にしまして、暗殺のターゲットですが何か?」  堂々と暗殺者のターゲットに『殺します』発言しておいて、さっきの『無防備だ』発言。 「………仕事しなさいよ」  姫である私は、彼の殺しのターゲット。  でも、暗殺のため放り込まれたクランが、わたしを殺そうとしない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加