戦いの序章

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胸元から手を戻し、ベッドから降りると俺は闘う準備を始めた。 皮の鎧に動きやすい麻のズボン、腰には長年の相棒の剣(名はダーインスレイブと言う)、左腕には傷だらけの盾(イージスと名付けた)を装備して部屋を出た。 部屋を出るとアンナが寝ぼけ眼のラルフを引きずって来るところだった。 エルフ族の弓使いであるラルフ=オスカーはギルドのムードメーカー的存在の20歳の男の子だ。 狙った獲物が外れた所、を俺は見たこと無いほどラルフは凄腕で、何時も凄く頼りにしている。 「おはよう、ラルフ」 「あっ、マスターおはよう!ふぁあぁっ、まだちょっと眠いよ~」 「ラルフは寝過ぎよ!さっさと気を引き締めないと丸焼きになっちゃうよ!」 「はいはい、分かったよ~」 この2人は何時もこんな感じだ。 アンナもラルフを婿にとればいい組み合わせなんだがな… 俺はじゃれ合うラルフ達を置いて、階段で下の階の酒場へと降りて行った。 流石に朝から飲むものは居らず、2人の青年が食事を摂っていた。 ヴィルとジークだ。
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