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ゆっくりと立ち上がり周りを見渡すと、既に他の6人の目が俺を見ていた。
「今回の敵はアースドラゴンだ、今回はヴィルには荷が重いから前衛は俺とジークが、中衛はヴィルとアンナとラルフ、後衛はシャルとティムが頼む、みんな気を抜かずに行こう!」
「はい!」「おう!」「えぇ」「分かったわ」「頑張ってこー!」「分かりました!」
俺はみんなの気の入った声を聞きながら椅子に座り水を飲んだ。
するとそこにジークがやって来て隣に座った。
「どうだレオ?やれそうか?」
「問題無い、お前こそ、そろそろガタが来始める頃じゃないのか?」
「ハッハッハッ、それならあんたは骨も残ってねぇよ!大丈夫そうだな?なんか表情が暗いから心配だったんだよ」
「そうか…ありがとうな、ちょっと昔を思い出しただけだよ」
俺はそう言うとジークの肩を軽く叩いた。
実を言うと俺とジークでは俺の方が歳上だ。
それどころか数倍の歳を俺は重ねていた。
俺の身体は魔王に心臓を取られた22歳のまま止まっている。
見た目と反して、実際の今の俺の歳は216歳だ。
あれから随分経った……、昔の俺の目標は強くなることだった。
だが今の俺は違う、魔王の産みだす魔物を狩り、魔王を殺して心臓を取り戻し、滅ぼされつつある世界を救う事、それが今の俺の、俺たち大いなる闇のギルドの目的だ。
「さぁっ、みんな行くぞ!」
準備を終えたみんなを見ながら俺はそう言い、宿を後にした。
今日も魔物の脅威から街を守る為に俺たちは戦いに行った、それがこれからのギルドの行く先を決める事になろうとはこの時はまだ誰も思いもつかない事であった。
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