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《正 義 執 行 致 す!!》
彼女が門の周囲に生えている植物の中に隠しカメラを設置しようとしたのを俺は防ぎ、それを壊す。
「んにゃああああああああああ!!!」
そしてついでに絹織の頭を殴る。
ゴツーン!!
「あだあああああああああああああ!!!」
「あんなあ…これでも一応俺の幼なじみなの。勝手に変なことしたら俺がゆるさんからな」
「ぐぬぬぬ……」
頭を抑えて睨む彼女。するとインターフォンのマイクから声が発生された。
『斉藤様ですね。少々お待ちください』
「はにゃ!??」
急に聞こえた声に絹織は驚いて、咄嗟に俺の背後に隠れて背中の服を掴む。
「!!!?????」
俺は彼女の急な行動に驚きを隠せず、可愛さに萌え、にじみ出る理性と戦っていた。
『……早く入らないとうちのボディガードにミンチになってもらいますわよ』
低い低い、地の底から聞こえるような悍ましい声に二人揃って恐縮し、開いた門の中へそそくさ入っていった。
「私、別に友達を連れてこいなんて申しませんでしたが?特に「女性」の方など」
女性、を強調させて話す彼女にびくびくし、とうとう俺の背後より遠い柱の後ろに絹織は隠れてしまった。
「そこまで言わなくてもいいだろうが、人が多い方が楽しいだろ?」
「………ふんっ」
頬を膨らませてあからさまに怒っている様子だが、俺、何かしたっけ?
食卓、とは言えない豪華でだだっ広い場所に俺達は案内され、そこには紅のご両親が席について俺達を待っていた。
「おお、和白くん。久しぶりだなあ」
「お久しぶりです」
「あれから六年も経つのね~大きくたくましくなったわね~」
「どうも…」
紅の両親は暖かく俺を迎えてくれ、席に着きたまえ、とメイドさんに招かれ豪華な椅子に座る。
「…あら?そちらの方は?」
扉の隙間からそっと覗くのは絹織だった。深くパーカーを被っておりいつもより怪しい雰囲気を漂わせている。
「あ、俺のともだ」
「部外者ですわ!!お父様、お母様!!」
俺の隣に座る紅はそう強い口調で突き放すような感じで言う。
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