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「彼は彼女の弱さを知り、彼女を支えることを誓い、やがて恋人の関係を築くことになり、ハッピーエンドとして幕を閉じるのですわ」
少し照れくさそうに話す彼女に絹織はぱあっと顔の表情を明るくし、ソファの後ろにいたが回り込み、彼女の真横に座る。
「きゃ!」
「そうでござる!!そのもどかしさと不器用さにワイは惹かれたでござる!!今一番の嫁でござるぞ!!」
ツンデレ萌え~とニヤニヤする彼女を見て少し引き気味になるも、自分のことを言われているみたいで少し嬉しそうだった。
「やはり紗利菜殿はちいこちゃそと似ていて魅力のある美女でござる!!出会った当初、大分罵られたが、その清々しい貶しっぷりに逆にワイの中の何かが目覚めそうになったぞ!!」
「それはまだ目覚めない方がいいんじゃないのかな!」
ようやく再生した俺は彼女がドMに目覚めかけたと聞き、慌ててつっこんだ。
「紗利菜殿…」
そっと彼女の頬に手を添える絹織。…まさか、まじでほの字になったんじゃあないだろうな…!??
紅も満更ではないのか、紅潮した顔で彼女を見つめる。
俺の目の前には二人だけの世界がそこにあった。だんだん不安になる俺。
「え、えと…絹織さん?」
「紫小里でよいでござる」
今まで聞いたことのない優しい声に俺の不安はさらに増大する。
「お、俺もしおりってよんでもいいか」
「は?ダメに決まってるでござろう」
「ま、まあソウダヨネー…」
潔い拒みっぷりに閉口してしまう…。
「………では、紫小里さん…」
「うむ!」
ニコニコと紅の話しを聞く絹織。俺の前ではそんな顔しないのに…。
「……わ、私の……」
「ん?」
「私の!好敵(ライバル)になってくださりませんこと!?」
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