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「…………………………………アッヒョ…」
予想だにしてなかった要望に彼女は目を点にする。
…いや、俺も予想だにしなかった。てっきり「友達」になりたいもんかと思ってたから…。
「……らいばる、とは?」
「そのままの意味ですわ!!私はかれこれ数年間和白と共に学校生活を過ごしましたが、相棒のごとくこんなに接近してくる異性はいませんでしたわ!!」
「相棒じゃないでござる!!水●豊よりマグロ漁師の方が個人的には好きでござる!!」
「ドラマの話じゃねーよ!!…意外と渋い趣味してんな…」
「二人して話を反らさないでくださる!??」
紅が両サイドにいる俺と絹織をそれぞれ両手で指差す。
「とにかく!!和白は渡しませんわ!!!覚悟なさって!!!」
……いや、俺おまえのものになった覚えはない…と思ったけど、そういや奴隷がどうのこうの話があったな……。
「ええ、どうぞどうぞ」
「………。」
……こうも潔く譲られるのも悲しくなるな……。
「……こうも諦めが早いとなると、逆に怪しいですわね…。何か策を練っておられるのではなくって…?」
眉間にしわを寄せて絹織を睨みつける彼女。
「はう!!なぜばれたのでござるか!!」
「やっぱり!!私の目では誤魔化せなくってよ!!」
お~っほっほっほっほ!!!と高笑いし彼女を蔑む紅だったが、
「くそっ…!!どうしたら紗利菜殿を落とせるのか攻略ルートを練っていたところでござったのに…!!」
「な、なんですって!!?」
…互いの意見をこうも譲らないとなりゃ、こりゃ堂々巡りするな。
そう思った俺はひとまず退散することになった。
「よっこらせ」
絹織をお姫様抱っこして。
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