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「んほお!!!!???」
「んなっ!!!???」
二人して俺を凝視するが構わず淡々とした口調で紅に一言。
「じゃあまた明日な。いい加減帰らないと母さんが心配するので」
じゃ、と片手で彼女を抱き上げた状況を維持し、片手でさよならジェスチャーを示すとスタスタ歩き出した俺。
「ちょ…!!まだ話しは終わっていませんわよ!!!」
かずしろー!!と叫ぶ声が聞こえたが、スルーして玄関へと足を進めた。
彼女には悪いがいろんな意味で居心地の悪いところで長居はしたくなかったので早々断ち切らせて頂いた。
明日彼女からとやかく言われるだろうが、まあ慣れた俺には朝飯前だし大丈夫。
「うぎゃあああああ!!!!またこれかいいいいいいい!!!」
「「また」?妙なことを言うな。前に俺がお前にしたのは抱き上げ、つまり高い高ーいだぞ」
「どっちも変わらんわぼけええええええええ!!!!」
は、な、せ!!と俺の胸板をぽかぽか殴ったり、頬を引っ張られるが全然痛くない。
むしろもっとやってくれって感じだ。…肩に押し付けられている胸の柔らかさに少々理性が飛びそうになるが……。
すると、玄関の前に複数のメイドが並んでおり、
「ふふふ、仲がよろしいですこと。紗利菜様が妬いてしまうのも無理ないですわ」
と、にこやかに俺に言うと扉の端にメイド達は寄り、俺達に道を譲ってくれた。
「和白君」
後ろから声がしたので振り返ると紅の両親が立っていた。
あ、やばい…。無断で帰ろうとしたから怒ってるのか…?
「紗利菜はああ言って君を傷つけるがそれはあの子の強がりな性格がそうさせているんだ。悪く思わないでくれ」
「昔から見栄を張って無理して、でも一番努力家ながんばり屋さんなの。あの子の望まぬ形になってしまっても、仲良くしてくれる?」
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